ノイズが音になるとき
どんな録音でもノイズは気になるものだ。特に屋外では様々な形でマイクが音として拾ってくる。
音の風景の場合、特別なことがない限りむやみに録音を途中で止めたりしないようにしているが、それには理由がある。
だから録音できる時間が長くなればなるほど、安心して流しておけるのである。
単に録音として捉えていると、目的の音源に対して不必要な音はすべてノイズになってしまう。
しかし時々だが、このノイズが意外なところで楽しめたりすることを発見したりするのだ。
その場にいると「何でこんなときに・・・」とイライラしたりしたシーンを改めて聞いてみると、これがまた面白かったりする。
確かに目的とは関係ないから、うっとおしく感じたはずの音が、実は臨場感や距離感を作っていたり、あるいは響きになっていたりと、聞いてみると意外な発見になったりするからだ。
以前、野鳥録音をやっているときに少し離れた場所を走る道路から、突然車が事故を起こす音が周辺に響き渡った。暫くすると救急車のサイレンが再び周辺に響き渡り、事故現場に到着する。
録音の目的から考えれば、完全に失敗というか想定外の展開だったので、全く期待しなかった。
しかし問題のシーンを聞いてみると、静けさの中に鳴く鳥たちとは別に聞こえるサイレンが、静けさの中の広大な空間を実にリアルに再現していたことにビックリさせられたのだ。
正に「音の風景」という感じの出来事だったが、むしろ失敗ではなく大成功という結果になったわけだ。
これが、初期の目的だけであったらNGとして記憶にも残らなかったかもしれない。オーディオから録音をするという事は、ある意味音を聞いているということなのである。
だから、当初の目的が結果から大きくストーリーを変える事だってあるということなのだ。
確かにノイズと感じる音でも、場合によって想像を掻き立てるものであれば、それはノイズでなくなるかもしれない。
ダメだと簡単に録音を諦めずに流しておくといったことは、後で役に立つこともあるんだという事を忘れないで欲しい。
そんな場面から、少しだけ聞いてみようか。
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